アンタレスRH220(シマノ)オーバーホール。新型が発表されたタイミングで初代を整備しました。

新型アンタレスDC。

毎回これ以上は無理だろうと思っていますが、出る度に先代を超えるモデルが出てきて技術者は凄いなぁと関心します。

モデルチェンジの度に良くなるアンタレスですが、そのベースとなった初代アンタレスはやっぱり偉大。

初代が発売されたのが98年ですからもう23年も前のモデルなんですね。

とても23年前のリールとは思えないほどの出来のリール。このタイミングで使ってみようかとオーバーホールしました。

難易度が高いと言われる初代アンタレスのオーバーホールですが順番さえ覚えれば、たいして難しくないですよ。

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全体写真

発売された当初はキラキラしたボディがあまり好きではなく、カルカッタの無垢な感じが好みでしたが最近はどっちも良いなぁと思っています。

三十代も後半になって好みが変わってきたのかもしれませんね。

工芸品としての美しさすら感じます。

こんなキラキラにするには職人が手作業で磨かないと無理ですよね。

全体部品表

出典:シマノ

シマノは昔のリールの部品表もスキャンしたデータをホームページに載せてくれています。

有り難いですよね。

この部品表を見ながら進めていきます。

パーミングカップ側

パーミングカップはくるくる回して固定する方法を採用しています。

バンタムなどがこの回して固定する方法に戻っている辺りを見ると、剛性を確保するには適した方法なのでしょうね。

そしてパーミングカップは落下しないようになっています。

このシャフトがE環で止めてあるのが厄介なポイント。

逆にここさえ上手く出来れば難易度は他のリールと変わりません。

出典:シマノ

そのパーツは部品表で見ると赤でメモした範囲の部品です。

53、59、60、61番は本体内側に。

60、82、83はパーミングカップ側に配置されます。

83の部品の出っ張った部分と61番の部品の凹んだ部分がはまり込む感じで収まります。

写真、赤矢印の53番のE環を外せば。

59番、60番、61番のパーツが外せるようになります。

注意なのは赤矢印の60番のパーツ。

61番のパーツに綺麗にはまっていて、このパーツがある事に気付きにくいです。

知らない間に無くなっていたら見つからない大きさなので注意です。

82番のバネを抜いて。

83番のパーツも抜きます。

ここでまた注意。

60番のパーツがここにも入っていて見逃しやすいです。

これも抜きます。

パーミングカップが外れました。

とりあえずパーミングカップ側はここまでにしておいて次はハンドルを外します。

ハンドル

出典:シマノ

ハンドル側は部品表の1番から15番を外します。

普通はハンドル側から固定しているナットが見えますが、アンタレスはありません。

反対側から固定しているんですよね。

この頃はいろいろとこだわりの収まりがありました。

このネジを外すとハンドルが取れます。

ハンドルの内側はこのような感じ。

3番のパーツをナットで固定して、それをハンドルにネジで固定しています。

ナットを回して外します。

ナットを外すとバネの力で飛んでいってしまう事がありますので、手で抑えておくと良いですよ。

3番のパーツは抜けば外れます。

スタードラグも抜くだけで外れます。

私はスタードラグは分解した事がありません。

メンテしなくてもちゃんと機能するパーツです。

このバネも抜くだけです。

11番のパーツはネジになっているので回して抜きましょう。

12番のワッシャーも抜きます。

このワッシャーは向きがありまして、黒っぽい方がハンドル側になります。

13番のワッシャー2枚を抜きます。

組み上げる時はこのワッシャーが( )の向きになるように入れてくださいね。

14番のワッシャーを抜いて。

最後にベアリングを抜いてお終いです。

ベアリングは下に向けてトントンやれば落ちてきますよ。

本体Aを外す

続いて本体内部を分解していくのですが、初段アンタレスはリール上部を外さないと本体内部に辿り着けません。

まずはパーミングカップ側から見える4つのネジを外します。

続いてリールの下側からのぞきこむと見えるネジを外します。

上の写真の穴からドライバーを入れればネジに辿り着きます。

07メタニウムと同じ方法ですね。

続いてスプール側から覗くと見える2本のネジを外します。

これでやっと本体Aが外れます。

内部構造は今のリールと変わりません。

順番に見て行きます。

本体内部

出典:シマノ

本体内部のギア周りを分解していきます。

番号で見ると17番、30〜33番、65〜67番です。

ギアにグリスを塗る目的ならここまで分解すれば良いと思います。

なので私が通常分解するのはここまでです。

本体内部はこのようになっています。

17番のパーツを抜きます。

続いて無くしがちな66番のバネ2つを外します。

30番のパーツを外して。

31番のドラグワッシャーを外します。

ドライブギアに張り付いていたらドライブギアと一緒に外しましょう。

パーツクリーナーを使えば外れますよ。

32番のドライブギアを外します。

20年以上前のリールなのにギアの欠けは一切無し。

この時代のブラスギアの耐久性は素晴らしいです。

30番のパーツも抜いて。

65番のピニオンギアと67番のパーツを外します。

ここまできたら簡単な掃除と、ギアのグリスアップをしながら分解した順番とは反対に組み上げていくだけです。

参考までに今回のグリスはシマノのプレミアムグリス(デュラエース)を使用しました。

水に強いグリスなのでグリス持ちが良いのが特徴です。

分解するのが面倒な初代アンタレスには適したグリスだと思いますよ。

まとめ

組み上げる際、ハンドルは慣れた85ミリに交換しました。

グリスアップするだけで巻き心地がかなり良くなるのもシマノの特徴ですね。

この当時のシマノは世界的にも優れたリールを作っていたと改めて思います。

今使っても全然問題なく使えるリールなので、グリスアップもしたし今年は使おうと考えています。

最初にE環を外さないといけないので、分解するのがちょっと面倒なアンタレスですが、グリスアップすると巻き心地が回復します。

巻き心地を復活させたい方は、一度分解してグリスアップしてみてはいかがでしょうか。

最後までお読み頂きありがとうございます。

※分解は自己責任でお願いします。

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