今まで何回かご紹介してきたハンドメイドスピナーベイト。
記事で紹介している回数よりも多く、何回も試作とテストを繰り返していたんです。
そのスピナーベイトがやっと満足の出来る仕上がりになりました。
そして作り始めは自分で作ったルアーで魚が釣れる事が楽しくてやっていましたが、しばらく作り続けていると他の人にも使ってもらいたくなるんですよ。
その気持ちが強くなったので販売する事にしました。
販売するなら名前を付けようという事で付けた名前が「Cambia(カンビア)」です。
イタリア語で「変える」という意味の言葉になります。
フックを交換出来る様にしているのでフックを「変える」、今までのスピナーベイトとはちょっと違うスピナーベイトなのでスピナーベイトの常識を「変える」ものにしたいという気持ちから名付けました。
Contents
ワイヤー径は2タイプ
スピナーベイトの性格を決めるポイントの1つがワイヤー径です。
作り始めた当初は2タイプ作る事なんて考えていなかったのでベストなワイヤー径はどれかを考えていました。
でも作り続けるうちに狙う魚によってベストなワイヤー径は違って、1つで全部をカバーするのは無理だと考えるようになったんです。
ワイヤー径は細い方がスピナーベイトとしての動きは良くなるのですが、当然強度が下がるので私が良く狙うライギョなどの引きが強い魚にはすぐに壊されてしまいます。
だからと言って強すぎるワイヤーでは肝心の動きが悪くなってしまう。
もうこれは2タイプ作るしか無いと思ったんです。
多くの人が狙うバスをターゲットとしたオリジナルモデルを1.0ミリのワイヤー径とし、ライギョや怪魚と呼ばれる引きの強い魚を狙うモデルを1.2ミリのワイヤー径としました。
名前も分かりやすいように分けて、1.0ミリワイヤーのモデルの名前を「Cambia」、1.2ミリワイヤーのモデルを「Cambia1.2」と分けて区別します。
(※Cambiaオリジナルは強度とバランスを再考し、ワイヤー径を0.8ミリから1.0ミリに変更しました。)
シャローしか狙えないスピナーベイトです。
Cambiaは私が欲しかった動きを出す為にヘッドの下部がフラットに近い形状です。
その狙いは後で書きますがヘッドに水を受けやすい形状のためとても浮き上がりやすいスピナーベイトになっています。
そのため狙うレンジは1mより浅いレンジがメインで、狙っても1.5m程度になります。
それより深いレンジでは使いにくいです。
深いレンジを切り捨てた事で得た性能は以下の2つです。
ヒラを打たずに乗り越える
Cambiaのフラットなヘッドはクランクベイトのスクエアリップのように障害物に当たるので、障害物を乗り越える際にヒラを打ちにくくなります。
スピナーベイトは針先がワイヤーでガードされているので根がかりしにくいのですが、障害物に当たってヒラを打つと障害物が針先側に入り込みやすくなってしまうんです。
Cambiaはスクエアビルのクランクベイトのようにヒラを打たずに障害物を乗り越えるようにクリアするので根がかりが更に減ります。
水流でヘッドの縦揺れを発生する
Bカスタムやビーブルのように釣れるスピナーベイトが持っている動きがヘッドの縦揺れ。
ブレードの回転による振動や動きだけでなく、他の要素でヘッドを縦に振動させる事で複雑な動きになり魚が反応しやすくなります。
ビーブルはスプラッターで強制的に縦揺れを起こしていますが、Cambiaが狙ったのはBカスタムのようにヘッドに水流を受けて揺らす方法。
ヘッドの下部をフラットに近い形状にして水を受けやすくしています。
スピナーベイトを自作する上で苦労したのもこのフラットな部分の形状でした。
初期の頃は水流を受けやすいようにフラットよりも更に凹ませて水を掴むようにしたのですが、そうすると水をつかみすぎてヘッドが傾いた後に元の姿勢に戻りにくくなってしまったんです。
水を掴みつつ真っ直ぐな姿勢にちゃんと戻る形状を探した結果が写真の形状。
先端部分はやや膨らみを持たせた形で、フック側は水をつかむようにフラットよりも中心が凹んだ形状。
これによって水を掴んだり障害物に当たった時の倒れ込みを防止しつつ、泳ぎ姿勢も安定するようになりました。
ウエイトは3/8オンスクラス
ヘッドのウエイトは約10g、3/8オンスクラスになります。
ワイヤーを含めたウエイトが11.1gで、ワイヤーが約1gという割合です。
そしてブレードやスカート、フックなど全て付けた後のウエイトは約21g。
3/4オンスクラスのウエイトになります。
使うロッドはミディアムからミディアムヘビーが使いやすいと思います。
サイズはDゾーン1/2オンスクラス
スピナーベイトの大きさの比較です。
CambiaのサイズはDゾーンの1/2オンスとほぼ同等の大きさです。
Bカスタムの5/8オンスと比べると少しCambiaの方が小さいかな?という程度です。
一般的なスピナーベイトと同等のサイズとなります。
フックは半固定で交換可能。そして貫通力が高い。
フックはシリコンチューブとシリコンゴムで半固定した交換可能なシステムとしています。
半固定にする事のメリットはフックが交換出来るだけではなく、フッキングの時の貫通力が増すというメリットもあります。
フックが固定された従来のスピナーベイトはフッキングの時に針先の角度が決まっているため常に同じ針先の角度でフッキングする事になります。
これは魚の向きによっては針先に力が掛かりにくい場面もあると思われます。
フックが半固定になると針先は1番力が掛かりやすい角度に自動的に曲がりフッキングするようになります。
フックが掛かりやすい角度に曲がってくれる事と、常に新しいフックに交換して使える事で、テストでのフッキングはほぼ根本まで貫通しているフッキングになっていました。
その一方でデメリットもあります。
フックを完全に固定した訳では無いので写真のようにフックが少し横にも可動してしまうんです。
シリコンゴムが付いている事で手を離せば元の位置に戻るようになっていますが、フックを半固定にする事でどうしてもゼロには出来ない所です。
CambiaがオープンアイでCambia1.2はクローズドアイ
ラインを結ぶアイの部分はCambiaオリジナルはオープンアイ、Cambia1.2はクローズドアイを選びました。
(※Cambiaオリジナルはワイヤー径を1.0ミリにした事でオープンアイに変更しました。)
オープンアイはラインを直結した時に、ラインが回ってしまっても絡まる事が無くラインが傷付きにくいメリットがあり、クローズドアイは強度が増すとともにスナップを使ってもズレないというメリットがあります。
Cambiaオリジナルは直結する事が多いと考えられるのでトラブルが少ないオープンアイを採用し、Cambia1.2は大きい魚を狙う場合は太いリーダーを組んでスナップを使うというスタイルが多いと考えられるのでスナップが使えるクローズドアイを採用しました。
余談ですがクロースドアイにする事でワイヤーがセンターからズレる事を防止する為に赤の矢印の所で角度を付けてセンターに戻しているのですが、1.2ミリのワイヤーは本当に硬くて曲げるのが大変です…
自分で作っているとこれだけ硬ければメチャクチャ丈夫だと自信が付きます。
加工するのは大変で手が痛くなりますけどね。
ブレードはデプス製。インディアナのみヒルデブランド。
ブレードは手に入るいろんなメーカーの物を試しましたがデプスのブレードを採用しました。
特にウィロータイプは巻き感も軽くてコレしか無いなといった印象です。
ウィロータイプでも巻き感が強いタイプもありますが、巻き感を求める場合は素直にインディアナタイプやコロラドタイプを使う方が良いという判断です。
スピナーベイトの中でも弱いタイプに反応する場合強いウィローを使っていたら取れなくなってしまいますからね。
強いタイプに反応する時はウィローではなくコロラドやインディアナを使えば良いと思います。
そして唯一シングルブレードとしてラインナップに入れようと思っているのがインディアナタイプ。
これは昔から実績のあるヒルデブランドを採用です。
広いエリアを線で探る場合はダブルブレードが良いと思いますが、ピンスポットを点で狙う場合は絶対にシングルブレードの方が使いやすいんです。
シングルインディアナタイプはピンスポットを狙う場合にとても使いやすいタイプになっています。
シングルブレードを試した事が無い人に是非試してもらいたいタイプです。
こだわりのスイベル
リアブレードはボールベアリングスイベルでは無く、ダイワのサクサススイベルを採用しています。
それをワイヤーには直付けで取り付けています。
ボールベアリングじゃなくてスイベルなのは安っぽいイメージがあると思いますが、機能性を重視しての敢えての採用です。
ブレードの回転って大した回転数では無いのでボールベアリングの回転性能は完全に過剰なんです。
回転性能が過剰なだけだったら良いのですが、ボールベアリングはスイベルと比べてデメリットが多く有ります。
1つ目は大きいスプリットリングが付けられない事。
ボールベアリングスイベルはスプリットリングを取り付ける穴が小さいのでスプリットリングも小さい物しか取り付けられないんです。
そのせいでリングが伸びてブレードが無くなったという経験をした方も多いのではないでしょうか。
2つ目は回転する箇所が一箇所しか無い事。
ボールベアリングスイベルは回転する箇所が一箇所なのでゴミ絡みに弱いんです。
一方でスイベルは回転する箇所が二ヶ所あるのでゴミ絡みによるトラブルがボールベアリングスイベルよりも少なくなります。
3つ目は錆に弱いという事です。
状態が良い時の回転性能は素晴らしいですが錆が発生すると極端に回転が悪くなります。
スイベルは良くも悪くも単純な構造なので水が抜けやすく錆に強いです。
赤い丸の所のパーツはフロントブレードを取り付けているクレビスというパーツなのですが、これ自体リアブレードのスイベルよりよっぽど回転性能が悪いのに問題無く機能している事からもボールベアリングスイベルの回転性能が過剰な事が分かると思います。
話しは逸れますがこのクレビスを作る事が出来たらクレビスの穴を四角形にしたものを作りたいんです。
ブレードが回転する事でクレビスの四角い穴がワイヤーと擦れて音と振動が発生するようになるからです。
ヒヨコブランドのペラを採用したプロップペッパーと同じ考えですね。
カチカチ音がするスピナーベイト釣れそうだと思いませんか?
Cambiaはオフセットフック、Cambia1.2はストレートフック採用。
採用したフックタイプはCambiaがオフセットフックの3/0。
Cambia1.2がストレートフックの3/0です。
Cambiaはバスをターゲットに考えているのでレイダウンや杭にガンガン当てて使っていくイメージなのでオフセットフック。
Cambia1.2は私がライギョで使っているシーンを想定しているのですが、割とオープンな所での使用が多いので魚の口の奥深くに掛かりやすいストレートフックを採用しています。
どちらもフックは交換出来るので好みで交換出来ますけどね。
ちなみにフックはオフセットフックがカルティバのバルキースピア、ストレートフックはデコイのワーム4です。
バルキースピアはワイドゲイブのフックの中ではかなり掛け調子のフックになっているので採用しています。(フックは今後変更する可能性があります。)
フックの取付方法
フックの取付方法の説明をします。
このようにフックをアイに直付けする付け方です。
シリコーンゴムの直結3ミリを用意します。(フック交換の時は最初に付いているものの再利用でOKです。シリコーンゴムを取り外す時はカエシを潰してから外して下さい)
2ミリ程度でカットします。
シリコーンゴムの中心を刺して
アイの所まで移動します。
次はスピナーベイトのアイを開きます。
下半分をペンチで掴んで
上半分をもう一つのペンチで掴んで横に捻ります。
このように開きます。
先程のフックを通して
アイをペンチ2つを使って横にネジって戻します。
次に用意するのが点滴用のシリコンチューブ。
内径3ミリの物を使用します。
このくらいの長さにカットして
針先から入れて奥に移動します。
シリコンチューブはスピナーベイトのアイの部分を超えてスカートに当たるまで押し込みます。
このようにするとスカートが起き上がってボリューム感がアップするんです。
これで完成です。
慣れればテキサスリグをリグるくらいの時間で出来る様になりますよ。
トレーラーはデスアダー5インチと4インチ推奨
カバーを狙う時に付けて欲しいのがトレーラーワーム。
トレーラーワームをセットする事で本当に根がかりが少ないスピナーベイトになります。
テストではラバージグを打ち込むようなカバーに入れ込んでもロストゼロ。
ラインが岩などに挟まってスピナーベイトごと挟まらない限り根がかりしないと思います。
トレーラーにオススメするのがデスアダー。
デスアダーって背中にスリットが入っているので、針先をワームから完全に出してるいてもスリットの中に収まるんです。
フッキングの邪魔はしないのに針先は完全に守ってくれる理想的なトレーラーです。
まとめ
自分好みのスピナーベイトを作りたいと思った事から始まったハンドメイドスピナーベイト。
普通とはちょっと違うスピナーベイトになっているのでハマる人にはハマるスピナーベイトだと思います。
1つづつ手作りで作っている為、数が作れずまだ発売する分が作れていませんが、作製しましたらブログにて紹介したいと思っています。
価格は1200円で送料込みで1350円程度で出品する予定です。
本当は1000円にしたかったのですがパーツ一つ一つの値段を合わせていくと1200円が限界でした。
パーツを高い単価で購入せざるを得ないハンドメイドの辛い所ですね。
面白そうと思った方は是非使って見てください。
そして良い魚が釣れたらTwitterに写真を送って貰えるととても嬉しいです。
よろしくお願い致します。
※PayPayフリマにて販売を始めました。
PayPayフリマでCambiaとCambia1.2の販売を始めました。
こちらをクリックして貰えれば商品ページが開けます。
PayPayフリマは全て匿名配送になります。
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