スピナーベイトを使い続けると避けて通れないのがアームの折れ。
アームが曲がった → 直すを繰り返すと折れちゃうんですよね。
そこで、ふと気になりました。鉄の加工だと応力を除去する焼きなましってあるよなーっと。
スピナーベイトのアームをライターで炙って、簡易焼きなましをやったら効果があるのか試してみました。
Contents
焼きなましって何?
曲がったスピナーベイトのアームを曲げて元の形に戻すとアームの内部に残留応力という力が残ってしまいます。
曲がって戻した部分にダメージが残るといったイメージですね。
どんな金属でも力を加えて形を変えた場合には、この残留応力が残ります。
この残留応力を取り除くのが焼きなましなんです。
焼きなましの方法
焼きなましの方法は鋼材の種類や目的によって違いがありますが、変異点(727°程度)と呼ばれる温度以下まで熱した後にゆっくり冷やす事で行います。
ゆっくり冷やす方法もいろいろと方法がありますが、自宅で行うのは空気中でゆっくり冷やす方法しか出来ませんね。
今回は熱した後、空冷で徐冷します。
ライターで炙る温度で良いの?
ライターでステンレスの針金を炙ると赤く光り始めます。
その時の温度は約600°のようです。
スピナーベイトのアームを何°まで熱した方が良いのかははっきり分かりませんが、目視で確認出来る赤く光り始める600°程度まで熱してみようと思います。
耐食性が下がるみたいだけど大丈夫?
ステンレスは通常の状態だと耐食性が高く錆びる事はほとんどありません。
ですが熱処理をすると耐食性が下がり錆びる可能性があります。
今回の実験で焼きなましする事の効果があったら耐食性の低下は避けて通れない問題です。
この耐食性の低下については今後試してみたいと考えています。
用意したスピナーベイト
今回用意したのはエバーグリーンのSRミニ。
最近使っていなくてフックが錆びていたのを使用しました。
フックとブレードを真っ直ぐになるまで引っ張ってアームを曲げます。
手を離すと上の写真くらいの変形になりました。
魚を釣った後に良くなっている状態ですね。
これを写真のように元に戻します。
これを何度も繰り返しアームが折れるまで曲げます。
まずは焼きなまし無し
焼きなましを行わずにアームが折れるまで繰り返したのは使用頻度が少なめだったタンデムウィローのモデル。
伸ばして戻してを繰り返したら13回目で写真のように折れました。
今まで折れたスピナーベイトもだいたいこの程度の回数で折れていると思います。
通常のアーム径のスピナーベイトは、限界まで伸ばしては戻してを耐えられる回数は10回程度と考えておくと良さそうです。
アームの細いDゾーンが耐えられる回数はもっと少なくなるという事ですね。
続いて焼きなまし有り
アームのヘッドの先からアイまでをライターで炙り、赤くなり始めたら炙るのをやめて、そのまま冷えるまで待ちます。
写真のように黒っぽく色が変わります。このように色が変わると内部のダメージは回復するけど、耐食性が下がるという事のようです。
マジョーラカラーのようになります。
先程と同じように曲げてみると…
明らかに柔らかい!
そして変形後に元に戻ろうとする力が弱い!
ステンレス線を熱した後に意識して曲げた事は無かったですが、こんなに性質が変わっているんですね。
柔らかくなっていますが、スピナーベイトとして使えない程の柔らかさではありません。
ですがぶつけたら明らかに曲がってしまうでしょうね。
10回曲げたら焼きなましを繰り返す
通常の状態でも13回連続で曲げると折れたので、10回曲げたらダメージを抜くために焼きなましを行う。
それを何度も繰り返します。
最初の焼きなましでアームは柔らかくなりましたが、それ以降は柔らかさは変わりません。
でもやっぱり柔らかくなってしまうのが気になります。
引っ張った時に簡単に曲がっちゃうのは使えなくはありませんが、やっぱりデメリットでしょうね。
なんと48回耐えた!
伸ばしては戻してを繰り返し、10回やっては焼きなましを繰り返していたら48回目でついに折れました。
48回も耐えたという事は焼きなましの効果は確実に有るという事ですね。
折れた場所も焼きなまし無しの時とは違うアームの所で折れました。
これは最初に折れたヘッドの直近の部分はキチンとライターで炙ったのですが、アイの部分はちょっと少なめだった可能性が高いです。
もう少しアイの部分をしっかりと炙っていればもっと回数が増えたと思います。
まとめ
スピナーベイトでアームが折れるトラブル。
ライターを使って焼きなましをする事でスピナーベイトの寿命は確実に伸ばす事が出来そうです。
ですがアームが柔らかくなってしまうので一回曲がっただけで焼きなましをするのではなく、これ以上曲がったら折れそうだと思う所で行う事で長く使えるようになりそうです。
気になる耐食性はまた実験してみて記事にしたいと思います。
最後までお読み頂きありがとうございます。
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